SPECIAL NEEDS
スペシャルニーズ歯科
スペシャルニーズ歯科とは

スペシャルニーズ歯科は、身体的、知的、精神的な障がいや病気などが原因で、通常の歯科治療を受けることが難しい方を対象とした歯科医療です。自閉スペクトラム症などの発達障害、ダウン症、認知症などの症状をもつ方や、車いすを利用されている方などが、安心して治療を受けられるように、環境調整や治療のトレーニングなどを実施します。
アンデンタルオフィスの院長は「日本障害者歯科学会認定医指導医・認定医」の資格を取得しており、さまざまな障がいについて理解したうえで、適切な歯科治療をご提供することが可能です。
また、歯科治療に強い恐怖心がある方には、気持ちを落ち着かせる「笑気吸入鎮静法」を用いることもできます。地域の歯科医院に通うことが難しい事情を抱えた患者さまは、ぜひ一度ご相談ください。
当院のスペシャルニーズ歯科治療について

治療を受けるためのトレーニング
患者さまによって苦手なことが異なるため、まずは保護者や介護者の方々からお話を聞かせていただき、対応を進めていきます。知らない場所で待つことが難しい方や、不安で診療室に入るまでに時間がかかる方もいらっしゃるかと思いますが、根気よくサポートをお願いします。
知的な遅れがある方の場合は、歯科医院の環境に少しずつ慣れていただきながら、治療を受けるトレーニングを行ないます。まずは、お口の中に入るものが「痛くない・怖くないもの」と理解していただくことが大切です。

わかりやすい説明と
一人ひとりに寄り添った治療
治療で使用する器具や機器や治療内容について、わかりやすい言葉と、絵カードなどで視覚的な支援をしながらご説明します。そのあとに実際に器具を手に取ってもらい、スタッフと同じように使ってみる体験をしていただきます。
さらに、歯磨きの順番や磨き方を指導し、ご自身で磨けない部分はクリーニングや口腔ケアを行ないます。食事の際の姿勢や食べ方、食べ物の形態についてのアドバイスも可能ですので、歯磨きや食事に関してお困りのことがあれば、ご相談ください。

終わったあとは
必ず褒めてあげてください
治療を終えた後は、必ず褒めてあげてください。うまくできた時はもちろんですが、たとえ大泣きしたり暴れてしまったりしたとしても、決して叱らないようにしましょう。褒めることで、次の治療への意欲へとつながります。
また、治療が終わってから時間が経ってから褒めても、何を褒められているのかがわからなくなってしまいますので、治療が終わった直後にたっぷりと褒めてあげることが大切です。

歯医者が怖い方も安心「笑気吸入鎮静法」

笑気吸入鎮静法は、鼻マスクから笑気ガスを吸入することで、リラックスした状態で治療を受けられる麻酔法です。歯科治療のトレーニングを受けたものの、恐怖心が強く歯科治療を受けることが難しい場合に適しています。
歯を削る音や振動、治療に対する不安や恐怖が軽減されますが、意識はしっかりと保たれており、呼びかけにも反応できます。笑気ガスは体内からの排出もスムーズで、治療後の活動や運動にも制限はありません。お気軽にご相談ください。
リスク・副作用
スペシャルニーズ歯科(障がい者歯科)治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 治療費は保険適用です。障害等級によって負担金額が異なります。詳細は歯科医師にご確認ください。
- 原始反射、不随意運動、生理的な状態などで開口や姿勢の維持が難しい場合、保護者や介助者の同意を得たうえで体動抑制をすることがあります。
- 治療に対する恐怖心が強い、開口や姿勢の維持が難しい場合、保護者や介助者の同意を得たうえで鎮静法や全身麻酔などを使用することがあります。
- 開口が難しい場合、開口保持器、開口器を使用する場合があります。
- 開口保持器を使用した場合、誤飲・誤嚥の可能性があります。また、脱臼、口唇粘膜を傷つけるおそれもあります。
- 開口器を使用した場合、歯を破折することがあります。また、開口器に装着されているゴムを誤飲・誤嚥することがあります。
麻酔薬の使用にともなう一般的なリスク・副作用
- 歯肉に塗布する表面麻酔や、一般的な歯科治療で歯肉に注入する浸潤麻酔は保険診療となります。インプラント治療などの自費診療(保険適用外)で笑気吸入鎮静法などを行なう場合は自費診療となり、保険診療よりも高額になります。保険診療となった場合も、高額になることがあります。これらの麻酔法を保険診療で行なうには治療内容など条件がありますので、詳細は歯科医師にご確認ください。
- 表面麻酔薬の使用により、じんましんやむくみなどを発症することがあります。
- 浸潤麻酔の使用により、アドレナリンの影響で血圧上昇や動悸などを発症することがあります。高血圧症や心臓疾患のある方は注意が必要なので、事前にお申し出ください。
- 笑気吸入鎮静法の実施により、ごくまれに効果が切れたあとの吐き気や嘔吐、末梢神経障害が現れることがあります。
- そのほか、麻酔薬の影響ではなく緊張状態や麻酔注射時の疼痛により起こる脳貧血により、悪心、吐き気、手足の震え・痺れが起こることがあります。
- 麻酔効果が切れるまで口の中の粘膜や唇の感覚が麻痺しているため、唇を噛んだりやけどなどをしないよう、食事は避けてください。
- アルコールにより血流が良くなり、出血・腫れ・痛みが増してしまうことがあるため、飲酒は避けてください。
笑気吸入鎮静器を用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 亜酸化窒素10~30%と、酸素70~90%を混合したガスを患者様に吸入いただき、弱い鎮静・睡眠作用と鎮痛作用を提供する機器です。高濃度(70%以上)の酸素を一緒に投与するので、治療の安全性が高まります。
- インプラント治療などの自費診療(保険適用外)で笑気吸入鎮静法を行なう場合は自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
- 笑気吸入鎮静法の実施により、ごくまれに効果が切れたあとの吐き気や嘔吐、末梢神経障害が現れることがあります。
- 麻酔効果が切れるまで口の中の粘膜や唇の感覚が麻痺しているため、唇を噛んだりやけどなどをしないよう、食事は避けてください。
- アルコールにより血流が良くなり、出血・腫れ・痛みが増してしまうことがあるため、飲酒は避けてください。
「日本障害者歯科学会認定医指導医・認定医」について
「公益社団法人 日本障害者歯科学会」は、障がい者への歯科医療を提供するにあたり基礎的・臨床的知識ならびに診療技能を有する歯科医師に対して、「認定医」「認定医指導医」の資格を与えています。
「日本障害者歯科学会認定医」資格取得の条件
- 日本国歯科医師あるいは医師の免許を有している。
- 認定医の申請時において会員であり、かつ申請時点で通算3年以上の学会会員歴を有している。
- 学会の規定によって定めた規則、細則、施設、認定医指導医のもとで、障害者歯科の臨床経験を修了している。
- 申請時より遡って3年以内に日本障害者歯科学会学術大会に出席している。
など
「日本障害者歯科学会認定医」資格更新の条件
- 5年ごとに資格の更新を行なう。
- 所定の臨床経験がある。
など
「日本障害者歯科学会認定医指導医」資格取得の条件
- 10年以上の継続した学会会員歴を有している。
- 認定医の資格を得たあと、更新を1回以上行なっている。
など